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3月19日~20日・・・オーロラ皆無・・・・取材7~8日目
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見よ!
ここはアラスカ、オーロラ皆無の満天の星空を!


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アラスカ大学へ・・・氷の彫刻

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アラスカ大学の構内でランチ。
お~、マッキンレーが見えているのか!?


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このレンタカー、妙に燃費が悪い

北極圏へ、大丈夫かなあ・・・


3月20日(火)

これから1週間文明と隔絶されるので、アラスカ大学近くのカフェでメールチェックする。

オーロラ博士の上出洋介先生が退官の挨拶のために来札されて、私の話題になった際に
「今行っているんでしょ。あまりよくないんだよな~」
と話されたとメールをいただく。

過去にも数回、私の取材の直前や直後に決定的なチャンスがあり、滞在中はめったにないほど死んだように静か・・・と上出先生から連絡いただいたものだ。私はいつも、その絶好のチャンスをことごとく絶妙に外しているのだ。・・・あ~、また今回も同じかなあ・・・・・


また、日々オーロラをネットで観察し楽しんでいる友人から大変興味深い情報を受ける。

「宇宙天気ニュースより
前周期の太陽風の様子から考えると、
これから1週間程度穏やかな状態が続きそうなのですが、
SOHO EIT284の太陽写真では、太陽の真ん中に小さなコロナホールが見えています。
これは、以前は見られなかったもので、この影響が見られるかもしれません。
やって来るとすると、これから3日後の22日頃になると思います。
ただ、コロナホールと言っても、規模は比較的小さいですので、
どの程度の変化が見られるのか、楽しみなところです。

22日頃、注目しましょう」

ありがたい、希望の光である。これからの過酷な取材を全うするには、希望の光が不可欠なのだ。
時差があるのでアラスカもこれから先、タイミング良く期待できるかもしれない。

オーロラの種は2種類ある。
一般によく知られているのは黒点からのフレア(爆発みたいなもの)による太陽風、もう一つは太陽のコロナホール(主に極付近)からコンスタントに放出される超強力エックス線である。

コロナホールとは、黒点のフレアのように突発的に地球に太陽風を吹きつけるものと違い、やや持続的なオーロラを期待出来るのではないか?
規模は小さくても、おそらくそれなりの「効果の持続」が期待できるのではないか!(厳密な表現ではない、私の期待による思い込み)


その他、たくさんの応援・激励メールなどをいただけるようになった。
みんなに返信する時間が作れないので、この場を借りてお礼を言いたい。
多くの人たちの期待は今の自分の原動力であることに気がつく。なぜなら自己満足の撮影なら、この時期にアラスカ北極圏なんかに絶対に行くことはないし、昨年の3月にでさえ二度と来ることはないだろうと考えていた。


不安と期待をミックスした状態でこれから1週間、極寒のブルックスへ乗り込むことになる。


今回は取材の前半をフェアバンクス周辺、後半1週間をアラスカの北極圏・ブルックス山脈で取材をすることに決めていた。

皆さんに悟られる前に自分で証言してしまうが、この厳冬期にアラスカのブルックスへ好き好んで行くものは正気の沙汰ではない。もしこれを読んでブルックス山脈へ行ってみたいと思われる方がいるかもしれないが、それは絶対にやめた方がいい。どうしても行きたいと言う方は、くれぐれも寒くない時期に、たとえば夏や秋(オーロラ目的ならお盆過ぎ)に行くべきである。ただしそれも決して甘くない。特別なレンタカー(一般のレンタカーは禁止)を借りて、スペアタイヤを2本装備、道中タイヤ交換が出来ることが大前提である。たとえ冬でなくても、ほとんど舗装していないダートの長時間運転は過酷である。パンクしないように常に細心の注意を払いながらの運転は非常に神経をすり減らす。また、北極海の石油基地を往来する怪獣のようなトレーラーとすれ違う時に小石が飛んでフロントガラスに当たり、生きた心地がしない。実は今までの遠征でフロントガラスが無傷ですんだことは一度もない。後から送られてくる高額な請求がまた恐ろしいのだ。

フェアバンクスより北方は、北極海へつながるダルトンハイウェイの一本道で、冬季間は1ヶ所だけガソリンを供給できる場所があるだけである。コンビニも助けを求める場所もない、車がピンチになってもロードサービスもないので助けが呼べない。

簡単な話、アラスカにおいてオーロラが目的ならフェアバンクス近郊がベストである。

なのに私はそんな辺境の地の取材を、今回で6回目を数える。しかも厳冬期も3回目になる。なぜ繰り返し挑戦するのか?それはそこで撮らなくてはならない(自分として)写真があるからだ。・・・要するに今までは狙った写真は結果として撮れていないのだ。


フェアバンクスよりブルックス山脈の目的地までおよそ500km程である。そこまでいろんな地形・気候を走り抜けて行くが、路面状態も変化する。
氷のデコボコの路面をそこそこのスピードで走行するのだが、今回は車が「なんちゃって4WD」である。とにかく走りが悪い。またタイヤは日本のような高性能なスタッドレスなどではなく、夏タイヤに近いオールシーズンタイヤである。走行中のバランスが悪く、何度か冷や水を浴びせられる。もしも路外へ転落して大事になれば、そのハイウェイでの事故は保険適用外であるため、事態を収拾するためには膨大な費用がかかるだろう。運転は極めて慎重になる。


さて順調に北へ進み、フェアバンクスを発って7時間後に始めの撮影ポイントに着いた。早速パイプラインの下に陣取る。昨年の撮り直しがしたかった。
この辺まで来るとフェアバンクスよりもいちだんと冷え込んでいるような気がする。しかし今回の車には温度計が装備されていなかった。マイナス40℃近くまで下がっているだろうか。

動きの少ない、アーチ状のオーロラがすでに見えていたが、肉眼でもなんとなく上の方がやや赤く見えたので撮ってみる。

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やはりオーロラの上の方が赤くなっている。

そのうち、オーロラが徐々に波打つように蛇行したり、線構造が見られるようになり、そのアーチはだんだん私に迫ってくる。
このオーロラの行動?パターンは「要注意」である。見せ場到来の可能性があるとみた。
その動きを「先読み」をして「的確な撮影」に備える。

「的確な撮影」とは、このめったにやってこない、しかも一瞬で終わってしまう至高の瞬間をベストなレンズで的確なテクニックで対応出来るかどうかである。

「オーロラのおいしい瞬間の撮影」に興味がある方のために、私の撮影スタンスを紹介しよう。

360度の大宙にオーロラがどのように展開して、そのどの部分を切り撮るか臨機応変に判断してベストなレンズに交換、オーロラの明るさ、動きの早さ、レンズの明るさ、空の明るさ(月明かりなど)によりテクニック(感度、シャッタースピード、絞り)もかなり異なる、究極のマニュアル撮影である。空を仰ぎながら、常にどう切り撮るか考え続けるわけだ。
被写体の状況が刻一刻変わるのだが、「最高の見せ場」に至っては30秒~1分程度が勝負である。10秒で宙の状況がまったく異なっている。それくらいダイナミックになる。
その瞬間になってからレンズを変えて構図を構えるのなら、100%おいしい獲物は逃げられてしまう。

極寒の状況下での撮影の難しさは、そのタイミングでカメラのバッテリーが確保出来ているか、それと自分の手が動かせるかをも計算する。マイナス40℃で微風でもあれば、まともに手が動かせるのはこれも一瞬である。「予感」がする場合には、カメラも人間も無駄な動きをせずに力を温存し、ベストなタイミングに確実に出動出来るよう、オーロラの動きに集中しながら先読みをするわけだ。しかしまた、このオーロラの動きは極めて気まぐれであるため、計画達成は至難の業である。

結局、極寒の地でオーロラのクライマックスをベストなパフォーマンスで撮影することはまず不可能である。実は私は150夜以上これに挑戦しているが、満足な結果を得られたことが一度もない。

最近は私の撮影にはこの他の要素も考慮しなくてはならなくなった。

最近力を入れているスライドショーに使えるオーロラは連続で撮り続けるのだ。要するにそのシリーズは動画として使うために、一発勝負の写真とはテクニックがまた異なる。
なので、このオーロラはスライドショー用に撮ろうとか、単発で使うために撮ろうとか、またブログで使ってみようとか、いろいろと考えることが多い。

そんな諸々のテクニックも考えながらも、頭上で起きている宇宙ショーをしっかりと脳裏に焼き付ける。自分の細胞にもメモリするのである。


さて、この時もそれなりの見せ場が来た。が、良いところでバッテリーがダウン、それを交換しようと思うが、予備のバッテリーもすべて使い切っていてお手上げである。

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   見せ場が通り過ぎた後で・・・たいてい「だらしない」オーロラになってしまう。


実は今回、ビデオ撮影にも挑戦しようと準備していた。世界に一台のオーロラ用に改造されたビデオカメラを、製作者のご好意でお借りすることが出来た。しかしこの環境で一人二役は不可能、オーロラの状況を見てどちらかに集中する手段をとることにした。

ところが購入したばかりのビデオ用の雲台が寒さのため機能しなくなり、まったく修復出来なくなっていた。撮影するためには両手を使って雲台がする動きを慎重に動かさなくてはならない。要するに雲台を動かす行為を両手を使ってやってみると言うことである。この寒さではその行為は1分と持続できない。

悪戦苦闘しているうちに東の空が明るくなって来た。

昨日まで沈黙していたオーロラは上り調子になってくる予感である。おそらくこれからが勝負であろう。コロナホールの情報と一致しているわけだ。

天候はまったく心配なさそう。と言うよりは曇るような気がしていない。本当は企業秘密にしたいが連日快晴であり、これは計算通りである。しかしそうなるとこの極寒の状況で10時間野外で集中を切らさないで的確に仕事をしなくてはならない。

取材中、毎晩これを続けるのは、自分の極限にも挑戦することでもある。
このブルックスにいて、私にとってはそれは義務であるし、それを遂行するために来ているのだから。

大きなリスクをも背負ってここまで来ているのだから。
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コメント
この記事へのコメント
ドキッ!!
取材4日目のアクシデントにドキッ!
無事で良かった。 こんなこともあるんですね。
くれぐれも気をつけてくださいね。
オーロラの女神に出会えますよう祈ります。
2007/03/22(木) 10:19:42 | URL | Tomo #-[ 編集]
大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫・・・・(^^)~
アラスカ方面に向けて、大丈夫光線、目一杯送っておきました~。笑

今日は、帰り道、地下鉄おりて、地上に出たら、
細い月と金星が西のそらに輝いていて、中垣さんのこと、思い出しました♪
2007/03/22(木) 20:30:42 | URL | さらふぁい #Jy/l9i9k[ 編集]
とりあえず日本に戻ってきました。
・・・・後半、壮絶でした!
2007/03/28(水) 18:20:56 | URL | なかがき #-[ 編集]
おかえりなさい!
無事のご帰還おめでとうございます。
安心しました。
後半はオーロラの女神が中垣さんに
微笑んだのでしょ???きっと…。
Live で少しだけ見えました。

とりあえず体力を回復して下さいね。
2007/03/28(水) 20:41:55 | URL | Tomo #-[ 編集]
よかった!
お帰りなさ~い。日本に無事帰国できた様で一安心です。
オーロラライブを時々見てきれいな画面がでていたので
これは楽しみ・・・・・って思っていたところです。

なにやら、『壮絶』とは・・・どんな風に壮絶なのか。早く知りたい気持ち大!です。

とにかくゆっくりお休みして力をつけて報告会を楽しみにしています!
2007/03/28(水) 23:24:24 | URL | Mai #-[ 編集]
おかえりなさい
無事に帰ってこれて何よりです。
ゆっくりと休養してください。
仕事とアラスカの疲れを癒してください。
2007/03/29(木) 23:03:57 | URL | 宙に感謝 #-[ 編集]
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